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第二五章 衣装合わせⅡ ブログトップ

衣裳合わせ/2日目 奈佐健臣さん 2005/9/10 [第二五章 衣装合わせⅡ]

 死神役・奈佐健臣さん。

 先にも紹介した通りに、衣裳は作ることになる。

 が、とりあえず衣裳部さんが用意してくれた、中世ヨーロッパの僧侶の服。それを奈佐さんに着てもらう。

死神.jpg

 本物はこれより凝ったものになるが、イメージが膨らむ。

 これなら存在感がある怖い死神になるだろう。

 あと、顔をどうするか? を検討。テストの結果。灰色に塗るのが一番、いいと分かる。

 オーダーメイドの衣裳は、立ち稽古のときに途中経過を見せてもらうこととなる。

 これで2日に渡った衣装合わせが終了。

 (つづく)


*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと1週間! 



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衣装合わせ 2日目 劇用写真 2005/9/10 [第二五章 衣装合わせⅡ]


 さらに、マキのお父さん役・飯島大介さん。

 お母さん役の水沢有美さん。

 の衣装合わせ。あと、劇用写真撮り。

 「劇用写真」というのは、物語の中で使う写真。マキの家には家族写真が飾られている。それを撮影までに撮っておかねばならない。

 谷村美月にも来てもらって、3人で記念写真。スチール写真を撮るカメラマンさんに撮影してもらう。

劇用.jpg

 マキ家(?)の初顔合わせ。何だか、いい感じだった。優しいお母さん。頑固な少し老けたお父さん。何かを抱えたむずかしそうな娘。そこにもう、物語がある。

 問題は撮影場所。時代設定は昭和40年代。舞台は和歌山県田辺市。

 その写真を東京で、それも衣装合わせをした五反田付近で撮れるのか? と思ったが、さすが演出部。事前に調べて近所に木造の古い家があるという。

 そこの縁側を借りて記念写真。行ってみると5分。よくこんな場所にこんな古い家があるなあという感じ。まわりは皆、鉄筋のビルなのに・・。

 凄い!
 
(つづく)


*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと1週間! 




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衣装合わせ 2日目/三船美佳さん(4) 2005/9/10 [第二五章 衣装合わせⅡ]

 そして衣装合わせ。
 
 春美役はいつも着物を着ている。事故で片足を失ってから、それを隠せるように着物を着るようになったという設定。

三船衣裳表.jpg


 僕の中では地味な赤い着物のイメージ。だが、用意されたのはきらびやかなもの。哀しみが感じられない。

 いくつか見せてもらうが、全部違う。そこで新たに探してもらうことにして、その他のシーンの衣裳である喪服、事故前のシーンの洋服等のみを決めた。

 さてさて、そんな三船美佳さんが参加する撮影も、あと1週間後に迫った・・。

(つづく)


*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと1週間! 


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衣装合わせ 2日目/三船美佳さん(3)2005/9/10 [第二五章 衣装合わせⅡ]

 三船美佳さんはいう。

 「今回はこれまでに演じたことのない役です。私なりに考えています。

 でも、スタッフの皆さんや監督と、一緒に考えてがんばってやりたいと思っています。よろしくお願いします」

 まるで、若き極道の姉さんの挨拶のような迫力。前回、以上の真面目さ。春美役に対する真剣なアプローチを感じる。

 さて、僕の方。俳優に対して役作りを、細かく提案。お願いをすることが多い。が、あえて何もいわないことがある。

 今回の三船美佳さんは後者。ほとんど何も説明しない。ビデオも、基本形のものは渡さない。先にも書いたが「赤ひげ」等、数本だけ。

 三船さんにはリアルに、意地悪で、冷たい主人公の姉。でも、誰も知らない大きな「哀しみ」を背負った女性を、演じてほしいが・・。

 細かいことはいわず、三船さんの感性と理解に任せたい。

 むしろ、どんなふうに理解し、演じてくれるのか?

 僕が楽しみなくらい。だから、打ち合わせも短い時間で済む。

喪服.jpg

 (写真上は三船さん用の喪服)
 

(つづく)


*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと1週間! 


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衣裳合わせ/2日目 三船美佳さん(2) 2005/9/10 [第二五章 衣装合わせⅡ]

 が、三船さん。二度目なので軽いノリで来るかと思ったら、凄く緊張しているのが分かった。

 前回の衣装合わせ以上の緊迫感を持っているようだ。

衣装会わせBW.jpg

 もともと、三船さんは超まじめな人。最近のバラエティ番組で、ボケを連発しているが、本来は真面目。凄く繊細で、気配りの人。

 そこまで気を使わなくても!というほど、まわりに配慮。

 しかし、そのことで演技に影響したりはしない。もの凄い集中力と表現力で完璧な芝居を見せる。

 それゆえ、バラエティでのボケぶりも完璧で、知らない人は陽気でおもしろい女の子だと思ってしまう。

 その三船さんの衣裳合わせ。かなり緊張しているように見えた。打ち合わせに入ると、僕だけでなく、スタッフのみんなの顔も見ながらこう語った・・・。


(つづく)


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衣裳合わせ/2日目 三船美佳さん(1) 2005/9/11 [第二五章 衣装合わせⅡ]


 三船美佳さんとは今回、2回目のお仕事。

 少し前に出産。一児の母。しばらくは仕事をセーブするという時期。なのに、出演をお願いすると、シナリオを読んで快く引き受けてくれた。

 本当に感謝。

衣裳部2.jpg

 主人公・夏美(佐津川愛美)の姉である春美役。

 この役は本当にむずかしく、三船さん意外には考えられなかった。その話は以前にも書いたが、御本人にお会いして、その気持ちを再確認した。

 メインのいちご4人娘役に希望者殺到は分かるが、お姉さん役も凄い人気だった。念のために全員確認したが、三船さん以上に、この人に!という俳優はやはりいない。

 いや、芸能界を見渡しもいないだろう。

 前回、ご一緒したホラードラマで見せつけられた天才女優・三船美佳の姿は強烈。それが忘れられずラブコール。それがやっと、実現した!


(つづく)


*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと1週間! 




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衣裳合わせ/2日目 吉行由実さん(下)2005/9/11 [第二五章 衣装合わせⅡ]

 吉行由美さんは大林映画を愛し、繰り返し見て、尾道にまで行ってしまったほど。

 「ストロベリーフィールズ」のシナリオを読んだときも、号泣したという。

 世界観はバッチリ理解してくれている。衣装合わせのあと、何も説明することなく終了。

吉行/衣裳.jpg

 「梅干どれがいいですか? あっ、でも、宿題ビデオはいらないよね?」

 というと「ちゃんと見るから、私もほしい!」といわれる。

 監督業は意思疎通が一番大事。

 吉行さんのような理解ある人がいてくれると、多くの時間と言葉を費やさなくてもいい。

 その分を他の俳優さんへの説明、伝達に時間やエネルギーを使える。
 
 本当にありがたい存在だ!

 (つづく)


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衣装合わせ/2日目 吉行由実さん(上) 2005/9/10 [第二五章 衣装合わせⅡ]

 衣裳合わせ。⒉日目。引き続き、映画「理由」から、もうお一人。

衣裳部1.jpg

 これは単なる偶然。

 「理由」では被害者の一人の家族を演じた吉行由実さん。
 
 元々、大林映画の大ファンで、長年の念願がかなって、撮影のときは第緊張だったらしい。

 以前に僕が監督したホラードラマでも、別エピソードに出演。それに業界の飲み会ではしょっちゅうお会いする。

 いつも、大林映画ネタで盛り上がる友人でもある。そういう俳優さんが出てくれることは、監督として非常にありがたい。


 (つづく)


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映画「理由」メイキング(下)青春編? 2005/9/11 [第二五章 衣装合わせⅡ]

理由パケ.jpg

 100時間近いビデオ素材から、その子たちの部分を探すだけでも大仕事。

 だが、それらを集め編集して行くと、世界観が出来上がって行く。

 厳しい撮影、自分の役割を果たしながら、がんばる若き女性スタッフ。中には怪我をして、撮影途中にリタイヤする子もいる。

 そんな「青春編」とも言えるエピソード、「ストロベリーフィールズ」風に編集した。演出部、照明部、美術部の若き女性スタッフに、夏美、マキ、理沙、美香の姿がダブる。

 大林監督にも好評。そのまま採用された。

 編集作業終了後に「あの青春編はとてもよかった。作り手の愛情が溢れている。今日の大きな収穫だね」と言ってもらえる。・・・感激!

 そんなふうに「理由」では撮影現場だけでなく、さまざまな面で勉強する機会がもらえた。巨匠からのエール。本当に感謝。

 そこで学んだことを、今度は自分の作品で発揮するべき時期がやってきた。間もなく「ストロベリーフィールズ」の撮影だ。話を衣裳合わせに戻す!


(つづく)


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映画「理由」メイキング(中)「ストロベリー」風編集? 2005/9/11 [第二五章 衣装合わせⅡ]

 気になっていたこと。映画「理由」スタッフの男女割合。

 女性がとても多かった。

 一昔前の撮影現場は男社会だったのに、優秀で行動的な女性スタッフが数多く働いていた。

 その何人かに注目。撮影風景と別に、ビデオカメラで記録し続けていた。

10169267.jpg


 テレビ的にいえば、「女性スタッフの活躍篇」みたいな感じか? 監督から頂いた提案に従い、それを短く編集してみようと考える。

 これまでに「俳優編」「監督編」「撮影風景編」は作ったが、スタッフ編というのがない。これはいい!

 さらに考えた。女性スタッフ編は4人に絞り、スポットを当てる・・。

 そう、夏美、マキ、理沙、美香の4人の女子高生が主人公の物語「ストロベリーフィールズ」をドキュメンタリーにした感じ。

 女性スタッフは演出部から1人。美術部から2人。照明部から1人を選ぶ。

 そして、その子たち1人1人にスポットを当てながら、ときどき他の子たちのドラマと交差する構成だ!

(つづく)


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映画「理由」メイキング(上)DVD特典映像 2005/9/11 [第二五章 衣装合わせⅡ]

 蛇足というか、補足をもうひとつ。

10995627.jpg

 今年の春に発売された映画「理由」のDVD。特典映像も僕が担当。

 何事にも厳しい巨匠・大林監督からのオファー。撮影時の撮影からテレビ放送、劇場公開、DVD発売と、その全てのメイキング関係を任せてもらえた。

 これは本当に凄いこと。「レベルの低いものを作ったなら、即交代!」と関係者から厳しく言われていたので、嬉しいものがあった。

 そのDVD。これまでに僕が編集したものを合わせて、それを大林監督が最終的に編集。監督がナレーションを入れたもの。

 その編集の際。監督から「何か、これは入れたいというエピソードがあれば、新たに編集してもいいよ」と言われる。

 これは嬉しい提案! 僕の考えた企画が特典映像に加えられる! 凄いことだ。何がいいか?早々に考えた・・・。


(つづく)


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映画「理由」の頃・・。  2005/9/11 [第二五章 衣装合わせⅡ]

 話はそれるが、「理由」にメイキングで参加したのは2003年の11月。今から2年前である。
 
 以下の写真が「理由」撮影中の僕。東宝スタジオのトイレで鏡に写った自分を撮った。 

理由のころーBWs.jpg

 撮影終了後。僕は「ストロベリーフィールズ」戦線に戻り、激動の日々を送る。

 あるスポンサーは2年間「**がほしい。**を用意しろ。そうしたら撮らしてやる」と、1円も払わずに振り回した挙げ句・・・

 「ま、うちと仕事をしたければ、あと5年待ってもらいましょうか?」

 そう言って投げ出した。クランクイン直前。製作費が出なくなり撮影が無期延期になった事件もあった。またスポンサーを探してまわる・・・。
 
 そして何度も自腹で、ロケ地である田辺市と東京を往復・・。

 製作費が予定額に届かないために、身を切られるようなシナリオのカット作業。理不尽な戦いの連続。借金の額だけがどんどん増える。さまざまな厳しい状況を越えて、ようやくクランクインが近づく。

 現在(2005年9月)、この日記を書いている年の僕の写真は、扉のプロフィールの文字(いちごマークの横)をクリックすると見られる。
   
 上の写真から2年。老けたなあ・・・と笑ってもらえると幸いだ。映画の仕事とはこういうものなのか・・と実感して頂けるかも・・。

(つづく)


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映画「理由」について(7ー終)親と子  2005/9/11 [第二五章 衣装合わせⅡ]

 映画「理由」に登場した勝野さん。そして並木さんが演じる父親たち。それと「ストロベリー」に登場する親たちは、近い立場にいる。

カーテン.jpg

 悪意はない。子供たちに対する愛がある。でも、彼らには見えなくなっているものがある。そして、彼らの抱える戦後昭和の価値観が崩れ去ろうとしている。新しい価値観に気づかずにいる・・。

 その象徴が、大人には見えない幽霊のマキたち。若い10代の夏美には見えるのに、30代40代の大人たちには見えない。

 それは単にファンタジーとしての設定ではなく、自分たちの価値観にはないものが見えず、愛情があるのに、子供たちを踏みにじってしまう大人たちの象徴。

 だから、長塚先生も、鮭山先生も、悪役ではない。本来、彼らの行為は愛情が溢れる子供たちを思う気持ちが溢れたものなのだ。

 しかし、子供たちから見れば、理解されない、愛されていないという態度にしか見えない。何がいけないのか? 何が違っているのか? 

プロパンガス.jpg

 そんなことをふまえ描かれたのが、今回の「ストロベリーフィールズ」という物語。

 衣装合わせ後の打ち合わせで、ベテラン並木史郎さんには、そんなお話をさせてもらった。

(つづく)


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映画「理由」について(6) テーマ  2005/9/11 [第二五章 衣装合わせⅡ]

 小説「理由」は発売当時に読んだ。

 新聞連載されていたときは知らなかったが、もともと宮部みゆきという作家が好きなこともあり読んだ。

ふかん東京.jpg

 そこで描かれた現代の日本。それこそ、当時から僕が気になっていたもの。その後、書き始める「ストロベリーフィールズ」のテーマにも関わるものだった。

 まさか、それを憧れの巨匠・大林監督がのちに映画化するとは思わなかったが、映画もまさにその点が焦点となっていた。

 監督の好意と応援で、「理由」の撮影に呼んでもらえただけでなく、もう一度、そのテーマを考え直す機会にもなった。

 その父親の友人役。同じ悩みを抱える同世代の友人。その役を演じたのが今回「ストロベリーフィールズ」に出演してくれる並木史郎さんである。

 何という偶然! でも、説明しやすい。そのことを並木さんにお話した。もの凄く真剣に聞いてくれて、

 「なるほど・・・そのテーマで、もう一度。考えてみます・・」

 と言ってくれた。

(つづく)


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映画「理由」について(5) 戦後から現代へ  2005/9/11 [第二五章 衣装合わせⅡ]

 物語には占有屋といういかがわしい商売をする連中も出て来るが、本当に悪辣な人はほとんどいない。

 なのになぜ、人々は傷つき、殺し合わなばならなくなるのか? そんな悲しい構図が見えて来る。

ビル.jpg

 事件の発端も、勝野洋扮する父親が子供と家族のために、マイホームを持とうとする。

 でも、自分の稼ぎでは無理。そこで、格安のマンションなら・・と、事件の起きる部屋を契約するのである。

 その父親には何の悪意もない。家族に対する愛情があるだけ。家族に豊かで便利な生活をさせたいという思いがあるだけ。

 しかし、その思いが、結果として、警察から犯人だと思われ、失踪せねばならなくなる。心ない人たちが、家族を批判し、皆が悲しむことになる。

 父親たちは、戦後苦労して生きてきた。貧しい暮らしを続けてきた。だから、子供たちには苦労させたくない。

 でも、それは正しいのだろうか? 親の気持ちとしては分かるが、そこで何かを失っていないだろうか?

 その背景にあるのが現代の日本。過酷な現状と、大幅に変わって行く価値観。その中で何が大切なのか? 何が必要なのか?

 「理由」という物語は、そう語りかけて来た・・・。

(つづく)


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映画「理由」について(4)メイキング担当  2005/9/11 [第二五章 衣装合わせⅡ]

 映画「理由」で僕は、メイキング撮影を担当。

理由イン映画館.jpg

 イベント用の予告編(メイキング素材を使ったもの)、

 番宣(番組宣伝用のドキュメンタリー番組)、

 映画公開時の作品紹介ドキュメンタリー、(テレビ放送&映画館のロビーでビデオ放送)

 DVDの特典映像「理由が映画になった理由」を担当させて頂いた。

 その中のキャッチフレーズでも使ったが、「主人公がいない。或いは全員が主人公」というものがある。

 まさに、そんな物語。さまざまな人生を抱えた200人を超える登場人物が、数々の証言をする。

 膨大な情報が読者や観客に手渡されるので、人間関係を追いながら、事件を整理するのも大変。だが、映画を見ると、その辺が非常に整理されていて、よく分かった。

 そんな中で、やがて、気づいてくることがある・・・。

(つづく)


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映画「理由」について(3)そのスタイル  2005/9/11 [第二五章 衣装合わせⅡ]

 本で読むと、小説を読むというよりルポを読んでいる感じ。

IMG_5743.JPG

 映画で見ると、主人公の視点から事件を見つめるのではなく、出演者(事件の関係者)が直接カメラに向かって話しかけるスタイル。

 観客はダイレクトに証言を聞くという形になる。

 「ストロベリーフィールズ」に、出演して頂く並木史郎さん。そのシーンも居酒屋でカメラに向かって、事件の容疑者である友人のことを語る。

 事件の起きた高層マンションの管理人役の岸辺一徳さんも、カメラに向かって(つまりは観客に向かって)死体を発見した様子を語り続ける。

 何とも、不思議なスタイルだが、これが画期的。小説では可能だが、それを映画で再現できるとは思わず、唸らされた。

 そんなスタイルだからこそ、リアルな現代日本と日本人の姿が見えて来る・・。

(つづく)


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映画「理由」について(2)物語は?  2005/9/11 [第二五章 衣装合わせⅡ]

 ーー都内で発見された若い男性の死体。

 高層マンションから落ちて死亡したもの。その部屋を調べると、さらなる死体。居住していた家族だった。

10299863.jpg

 しかし、彼らは本当の家族ではなかった。では、一体、彼らは何者だったのか? そして死んだ男は・・・・?

 というところから始める社会派ミステリー。そこから戦後日本が抱える問題点がクローズアップされてくる。そして親と子の絆。社会と家族の関係。

 通常、この手のドラマは刑事や新聞記者が主人公となり、事件を追う。

 ところが、この物語はそんな視点をおかず、0人称ともいえる相手に対して、関係者が証言するというスタイルで展開する。

 その視点があるときは記者、あるときは刑事、あるときは関係者だったりするのだが、その人物は登場しない。

 つまり、観客や読書が直接、彼らから証言を聞くという形で物語が進み、事件が解き明かされて行くのである・・・・。
 
 

(つづく)


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映画「理由」について(1)原作・宮部みゆき 2005/9/10 [第二五章 衣装合わせⅡ]

 「理由」は宮部みゆきの原作を、歪めずにほぼ同じ形で映画化した作品である。

 大林監督は台詞の一語一句まで変えず、原作を大切にした。それでいながら、ちゃんと大林ワールドを構築、これまでの作品の集大成のような作品となっていた。

 僕が「ストロベリーフィールズ」で劇場映画を初監督とすることを知った大林監督が、勉強のためにメイキング担当として呼んでくれた作品でもある。

10674720.jpg

 そのときの話は以前、この日記でも少しばかり紹介した。

 あの映画に参加できたこと。今も本当に貴重な体験だったと思える。


 その「理由」を題材に、衣装合わせのときに並木史郎さんとお話した。

 映画を見るか、原作を読んでいるかしている方なら、このあとと話もすぐに分かってもらえるだろう。

 だが、映画も小説も未見。或いは、忘れている人もいるので、簡単に物語を紹介する。


(つづく)


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衣裳合わせ/2日目 並木史郎さん 2005/9/11 [第二五章 衣装合わせⅡ]

 ベテラン俳優の並木史郎さん。

 今回は主人公・夏美(佐津川愛美)が通う高校の学年主任・長塚先生を演じて頂く。

 その並木さん。つい、この間までリメイク版の「日本沈没」に出演されていたという。そして以前参加された作品には、僕も参加していたものがある。

 大林宣彦監督の「理由」。(撮影は今から2年前。2003年だった)

東京タワー.jpg


 元・七曲署のテキサス刑事こと、勝野洋さん演じる主人公の友人役で、子供を持つサラリーマンの苦労を見事に見せておられた。

 僕はメイキング担当。が、残念なことに、並木さんが出演された頃は別の仕事で参加できず、何日か遅れて参加。

 そのために撮影現場で並木さんとは、お会いできなかった。が、別の人が撮ったメイキング映像で並木さんの芝居を見る事ができた。

 ベテランの風格漂う演技、見せてもらった。お会いするのも楽しみにしていた。

 衣裳合わせのあと、今回の映画「ストロベリーフィールズ」のあり方と、並木さんに演じてもらう長塚先生の意味について、打ち合わせ。

 そこで「理由」が有効となった。というものテーマとして、ダブるものがあるからだ・・。

(つづく)


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衣裳合わせ/2日目 伊藤裕子さん 2005/9/10 [第二五章 衣装合わせⅡ]

 主人公・夏美(佐津川愛美)の担任である京子先生役。

 伊藤裕子さんが演じてくれる。

 体育系の先生なので、体操服とジャージ。

衣裳部1.jpg

 でも、マキ(谷村美月)たちの葬式にも出席するので、喪服も用意。

 衣裳合わせでは用意したものを、順に着てもらう。見るたびに感心した。

 「伊藤さん。ジャージから喪服まで、何を着ても見事に似合いますよね?」

 そういうと恥ずかしそうに、こう答える。

 「モデル・・・やってましたから・・」

 あっ、なるほど・・・・・そうだよなあ・・・・でも、モデルさんは柔道着まで、着こなすのだろうか?

 おしゃれな服なら分かるけど、伊藤さんは柔道着を着てもカッコいい。

 凄い人だなぁ・・・・と感心する。

(つづく)


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タグ:伊藤裕子
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梅干&照明技師さんの言葉 2005/9/10 [第二五章 衣装合わせⅡ]

 照明技師さん。こんな話をしてくれた。

 「監督は俳優だけでなく、スタッフへの演出も大切なんだよ。

 そんな意味で事前に田辺に行って1日中町を歩いたり、梅干を食べたりしたのはよかったなあ。

11160281.jpg

 俳優だけでなく、スタッフに対する撮影前のそんな演出も大切なんだ。

 そんなことで照明がよくなったりするか? という奴もいるけど、良くなるんだよ!

 町のことを知って光を当てるのと、知らない町でやるのは全然違う!

 それからすぐに、金がないから出来ないとか、効率が悪いからとかいう奴もいる。

 けど、そういうこと大切にしなきゃ、いい作品はできないだよ!」

 本当にその通りだと思う。手間も時間もかかるけど、そんな積み重ねが映画のレベルを高めて行くのである・・・

(つづく)


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衣装合わせ/小西博之さんの故郷愛 2005/9/10 [第二五章 衣装合わせⅡ]

 実はこのとき、小西さんは大きな手術をしたばかりで、まだまだ大変な時期だった。

 にも関わらず、彼の故郷でもある田辺を舞台した映画ということで、愛する町のことを、より深く知って撮影に挑んでもらおうと考える。

 皆を笑わせながら、中田食品さんの梅干と田辺について熱く語ってくれた。

中田食品 表.jpg

 梅干の存在がスタッフの想像力をかき立てたはずだ。食事のたびに田辺という町を意識するはず。

 「この梅干を作るのはどういう人なのか?」

 「地元の人は毎日食べているのかな?」

 「加工には何年もかけるのかなあ?」

 そうやってスタッフや俳優さんたちは撮影が始まる前から、物語の舞台となる「田辺」という町を感じてくれるだろう。

 直接的でないので無駄で、無意味に思えても、それが映画のレベルアップに繋がるのである。

 衣裳が決まった小西さんを部屋の外まで送る。

 振り返ってみるとと、肩で息をしながら帰って行かれた。体調がよくないのに、全力で梅の話をしてくれたからだろう。(感謝!)

 御陰で、より田辺感が伝わった・・・。

(つづく)


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衣裳合わせ/梅干勉強会?  2005/9/10 [第二五章 衣装合わせⅡ]

 話は戻り、衣装合わせ。

 衣裳が決まると、役柄についての打ち合わせ。

 さらに、ロケ地である田辺市を感じてもらうために、地元名産の梅干をお土産に出す!

11288854.jpg

 俳優さんたち。さまざまな種類の梅干を見て、興味を持ってくれた。

 試食したり、食べ比べたり。

 「和歌山」と聞いても、なかなか町をイメージできないことが多い。

 が、みんな梅干から、さまざまなことを感じたようだ。
 
 佐津川愛美たち4人娘も、姉役の三船美佳さんも、先生役の並木史朗さんと、伊藤裕子さんも、お母さん役の吉行由実さんと、

 水沢有美さんも、死神役の奈佐健臣さんも、マキの父・飯島大介さんも、鉄男役の波岡一喜君も、一口食べると感想。
 
 「へーーーー」

 「おいしい!」

 「こういう梅干があるんだ!」

 「東京のとは違うなあ」

 「ご飯が食べたくなる!」

 「わーーー辛い!」


 と、さまざまな声が上がり、まるで古里物産展のような盛り上がりを見せた!

  主人公・夏美の父を演じる小西博之さん。

 田辺市出身なのでスタッフや他の俳優に、中田食品の歴史から梅干の種類まで様々なことをレクチャーしてくれた。

 衣裳合わせというより、梅干勉強会となった!

 (つづく)

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