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第十四章 撮影直前・準備篇 ブログトップ

シナリオというもの(5)情景を想像する 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 では、先に紹介したシナリオのシーン1〜2に、ロケ地の写真を入れてみよう。これで読むとかなりイメージしやくすなる。

 本来は、その情景を想像するのだが、試しにやってみる。先に読んだときと比べて、どう感じるか?読んでみてほしい。 

         <シナリオ>

(1)街の風景(朝)               <田辺の町>                       

        青い空。白い入道雲。

        古い神社。狭い路地。木造の家。昔見たような懐か
        しい街並み。

大人になった夏美のモノローグ「ここが私の生まれた街。この町で
  過ごした十七年間は今も忘れられない・・・。この川は小学生
  のとき、よく泳ぎにきた・・」
                辻の餅、田辺運送、ひまわり。

         勝徳寺。
         古いお寺。庭をはく、修行僧・鉄男。
M「この町にはたくさんお寺がある。ちなみにここは鉄男さんが修
 行していたお寺。

 そして天神崎。ここから見る夕陽は最高だった。

 辛いときも悲しいときも、そんな風景が私を励ましてくれた。
  それから好きな物はイチゴ。イチゴを食べて夕陽を見れば元
 気になれた・・・」

        屋敷町から江川。高校生たち登校して行く。


(2)公立T陽高校・午前中          <東陽中学>
      
        木造の校舎。古く懐かしい。

        渡り廊下を歩く生徒 
        たち。板で張られた廊下。

        クラスに向う生徒。

        用務員の古本。電灯を取り替えるが、やる気なし。

M「これが私の高校。夏は暑く、冬は寒い、昭和初期に建てられ
  た木造の校舎。そして、これが私。高校二年生。でも、友達
  は誰もいなかった・・」

        生徒たち、皆、友達と一緒に話しながら登校。

        夏美だけが一人渡り廊下を歩く。空を見上げて
        入道雲を8ミリカメラで撮影する。



<つづく>
 
*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと12日!


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シナリオというもの(4)設定紹介 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 「ストロベリーフィールズ」のシナリオ。アメリカ映画の「おもいでの夏」風に大人になった夏美がモノローグで、昔話を語るという形式を取っている。

 それにより時代は昭和40年代頃の田舎町。高校時代の夏美という少女が主人公であることを伝える。

 他にも柔道部のマキ、いじめっこのボス・理沙。優等生で学級員の美香という登場人物が紹介される。

 夏美はメインキャラクターなので、他の子たち以上に背景描写が必要。どんな家族で、どんな家に住んでいるか? 等も見せる。

 それら設定、人物紹介と共に、物語も進む。ここが難しいところ。古い映画はそれら紹介にかなりの時間とエピソードを使う。全部済んでから、事件が起き、物語が始まる。

 が、今の時代。じっくりと紹介していると観客は退屈する。と、いって、物語の背景をしっかり見せないと、ドラマの世界観に入って来れない。

 そんなこともあるのでドラマを進めながら、設定を紹介していくのが現代の方法論。

 「ストロベリーフィールズ」もそれを踏襲。設定紹介をしながらも、どんどんとドラマは進み、事件へ向かって突き進んでいる。

 掲載したシナリオの次の場面から、いよいよ事件が起こっていくことになる。いずれ、続きのページも紹介するとして、シナリオというものがどんな感じなのか? 分かって頂けたと思う。

 俳優もスタッフも、これと同じシナリオを読み、誰がどんなふうに演じ、どの場所で、どんな風に撮影されるのか?を考えながら、撮影準備を進めているのである!


<つづく>
 
*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと12日!


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シナリオというもの(3)ドラマの始め方 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 さて、前回までに紹介したシナリオは、プロローグとでもいうべき部分である。

 細かくいうと「物語の舞台紹介「背景説明」「登場人物紹介」「物語が始めるきっかけ」等を見せるパート。

 プロローグで大切なのは、それらを観客に伝え物語の世界に引き込むこと。

 つまり、いつの時代の、どこの町で、どんな人たちがいて・・ということを語るのだ。

 昔話を聞くと「昔、あるところに、おじいさんとおばあさんが・・」というところから始まる。

 それも同じで、時代、場所、登場人物を最初に紹介することが、物語の基本である。

 「スターウォーズ」シリーズも同じ。

 「long time ago. galaxy far faraway・・・・(昔、昔、銀河系の彼方で・・)」

 という言葉で始まる。古今東西、皆同じ。

<つづく>

 
*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと12日!


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シナリオというもの(2)小説との違い 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 ロケ場所も「教室」としか書かれていないくても、古い木造校舎の学校なのか? 新しい鉄筋の建物なのか? 自分なりに考える。

 町も、自分の知るいろんな場所を当てはめてベストのものを選び、その町をイメージしながら、読まねばならない。

 また、このシーンは望遠レンズで撮影するのか? 広角レンズなのか?

 カットは細かく割るのか? ワンカットワンシーンなのか?

 音楽はどんな感じなのか? 或は状況音を効果にして聞かせるのか?

 そんな演出部分も含めて、想像して読むのがシナリオである。

 どんな名作のシナリオでも、ただ読んだだけでは感動はわき起こらない。それを読む人の想像力が大切。

 つまらない物語だと思えても、完成した映画を見て「こうなるとは思わなかった!」ということがよくある。



<つづく>
 
*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと12日!


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シナリオというもの(1)脚本の読み方 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 この数回。映画「ストロベリーフィールズ」のシナリオ、シーン1から6までを紹介した。

 小説とは文体も違うので、シナリオはとても読みづらいものだと分かって頂けたと思う。

 日本語なので読めないことはないが、なんだかスーーーーと読んでしまい、何も残らなかった・・・と思ってはいないだろうか?

 僕も高校時代に映画のシナリオを読んだとき、あまりにもあっさりしていたと感じた。スリルも感動もなく、拍子抜けした経験がある。

 が、それはシナリオというものの、読み方が分かっていないから。

 シナリオを読むには端的な記述から、登場人物の性格や背景を見抜くことが肝心。

 そして、キャラクターをどんな俳優が、どんな風に演じるかを想像せねばならない・・。 さらに詳しく説明しよう。

 

<つづく>
 
*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと12日!


タグ:シナリオ
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映画「ストロベリーフィールズ」シナリオ決定稿(下)2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 シナリオは小説と違って、読めば誰でも分かるというものではない。

 状況説明とセリフが中心で、登場人物の容貌や衣裳の説明はほとんどない。まわりの風景描写も少ない。

 書かれた極僅かな記述から、あれこれと完成した映像を想像しながら読まなければならないのがシナリオ。

 だが、そんな難しいシナリオを俳優たちは読んで、セリフを覚え、役作りをする。
 
 谷村美月もこのシナリオを読みながら、「夏美が(佐津川)愛美ちゃんなら、こんなふうに言うだろうなあ・・」とか考えているはず。

 佐津川愛美は「ああ、ここ前回のシナリオと違って、セリフが言い易くなっている!」とか言っているかもしれない。

 (佐津川に合わせて夏美キャラをかなり変えてみた。こんなことをするから、戸惑うスタッフもいる。通常は危険な挑戦だが、太田組式では日常茶飯事!)

 そんな「ストロベリーフィールズ」シナリオ決定稿。その1部を、次回からご紹介する!

<つづく> 

*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと12日!


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映画「ストロベリーフィールズ」シナリオ決定稿(上) 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 シナリオ決定稿。指定通りに、タイトルの「ストロベリーフィールズ」のいちごをイメージするピンク色の表紙で上がってくる。

 これを使って撮影に挑む。すでに決定している俳優に発送。スタッフにも配られる。このシナリオを元に撮影準備をし、小道具や衣裳も揃える。

 僕は撮影中にもセリフを変更したり、設定を変えたりすることがあるので、このシナリオのまま映画になることはない。
 が、これが全ての基本であり、航海で言えば海図となる。

 「ストロベリーフィールズ」のあらすじは以前に紹介した。そのシナリオ上では、どう書かれているか? どんなふうに表現されているのか? 興味を持つ方も多いるはずだ・・・。

 <つづく> 

*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと12日!


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田辺の若き女優たちとリハーサルを! 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 死神、マキの父、母。夏美の父、母。先生たち。と、まだまだ重要な役が決まっていない。

 技術スタッフとの打ち合わせも続く。

 コンテも描かねばならない。

 各シーンの具体的な撮影法も考えてねば。

 だが、田辺から帰って以来、気になっていることがある。

 理沙(芳賀優里亜)の取り巻きを演じてくれる地元の女の子たちのことだ。

 エキストラではない。セリフのある役を演じてもらう。ほとんどの子が舞台経験があり、演劇で有名な高校で部活をしていたというが、映画は初めて。

 何とか、あの子たちとリハーサルが出来ないかと思っている。皆、カンのいい子ばかり、少し分かればすぐに適応するだろう。

 カメラで撮影する芝居とはどういうものか?理解してくれるはず。1時間でもいいから練習をさせたい。

 東京でやるべきことは山ほどある。撮影までに田辺に行く余裕はないだろう。
地元の子たちどころか、いちご4人娘の佐津川愛美や谷村美月たちのリハでさえまだしていないのだ・・。
 
 しかし、少し時間を割くだけで、あの子たちが延びれば映画自体もよくなる。何とかしたいが、まだ、今後の僕のスケジュールもハッキリしていない・・・。

<つづく>
 
*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと12日!


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オタクP、誕生の背景(下)勘違い男 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 映画ファンが一番陥り易い構図がある。酷い作品に出会ったとき、ついこう思うことはないだろうか?

 「オレがシナリオを書いた方が、まだマシだ!」 

 誰しも思ったことがあるはず。だが、実際にシナリオを書いたことがあれば、どんな下らない物語でもなかなか書けないことが分かる。
 1本の作品を書き上げることが、どれほど大変か? 映画を見ているだけ、というのはどれだけ楽なことか痛感する。

 プロ野球を見ていて、三振する選手に「そんな球も打てねえのか!」と怒鳴っているヨッパライおじさんを見かけることがあるが、その人がバッターボックスに立っても絶対に打てない。

 テレビで野球を見ているのと、実際にバッターボックスに立つのは大違いなのだ。それに気付けない人がいる。同じ構図にいるのが、先のオタクPである。

 そんな勘違い男がPになり、スポンサーの代理人として現場に送られて来る。現場の仕事を見ている内に「このライターは才能ないなあ」「この監督は勉強が足りない」と感じるようになる。
 が、その根拠は酔っぱらい親父が、プロ野球を見ているとのと大差なし。評論家気分の映画ファンと同じ。自分がクリエイトせず、できたものに文句をいうだけ。

 やがて「俺がやった方がまだマシ・・・教えてやるか?」と勘違いを始める。「前のバージョンの方がいいに決まってるでしょう? そんなことも分からないの?」などと言い出す。が、それは批評とかアドバイスではない。自分の趣味を主張しているだけ。

 批評意見するというのは、状況を客観的に把握し、本質を掴み、ターゲットを考えて、どうすれば効率的か? クオリティが上がるか?を指摘すること。
 それには映画というものを、徹底して勉強せねばならない。

 そもそも、Pの仕事は監督やスタッフが仕事しやすいようにするのこと。高いところから口出しをし、命令することではない。
 素人同然の無知な者がベテランに意見し、方向を決める。そんな他の業界では考えられないことが、今、映画界では起きている・・・。

 映画産業にいろんな企業が参入することは、活性化に繋がる。が、素人Pを参加させてしまう構造が現場を混乱させ、作品レベルを下げている。
 この状況。多いに問題ありだ・・。

<つづく>

*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと12日!


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オタクP、誕生の背景(上)現代の映画作り 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 脚本家の友人の話を聞き、こちらまでイライラした。もう少し書く。

 友人が怒りをぶつける若手P(プロデュサー)。学校で映画を学んだ訳でもない。自主映画経験もない。独自にシナリオを書いていた訳でもない。現場経験もない若造。

 そんな奴がプロデュサーという肩書きで、監督や実力ある脚本家に意見する。ダメな映画が生産されてしまう原因のひとつ。では、なぜ、そんなバカなことになるのか? 解説する。 

 昔は映画作りは映画会社の専売特許だった。スタッフは皆、映画作りに誇りを持ち、伝統あるスタジオで学び、育った。が、現代は、さまざまな業種の企業が映画作りに参加している。

 いろんな会社が少しずつ製作費を出し合って映画を作る、「製作委員会方式」が主流。映画とは関係のない会社も映像部門を作り、製作プロダクションに社員プロデュサーを送り込んでくる。

 が、その手の会社には映画作りのノウハウはない。上司や先輩も映画に関しては無知。新人が育てられる環境はない。
 またP業はさまざまな仕事があって、拘束時間が長い。残業どころか、寝ないで仕事ということもある。若手社員はすぐに辞めてしまう。

 人材補充のため会社側は、転職情報等で募集。それを見た映画好きの若者が応募。辞めて行く者が多いので経験がなくても、採用される。
 数年間アシスタント・プロデュサーを勤めて、仕事を覚えさせられる。が、それは単なる製作の段取りにしか過ぎない。ストーリー作りや演出は学べない。

 そこで勘違いが始まる。ネットの映画批評を読んだことがあるだろうか? 少数ではあるが、中には観客という立場を越えて、評論家か? 「私は業界の重鎮である」と言いたいかのような立場で批評を書いている人がいる。

 「これでは合格点は上げられない!」「この監督は、もう少しお勉強した方がよいだろう!」「もう一度、シナリオというものの意味を、考え直しなさい!」・・・あんた誰? というような書き込みがある。

 プロの評論家が書き込みをする訳はなく、一般の映画ファンの感想。なぜ、彼らはそんな尊大な口調で、高いところから批評するのか? そこにヒントがある・・・。

<つづく>

*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと12日!


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絵コンテって何?(下) 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

  黒澤明監督以外にも、大林宣彦監督、松林宗恵監督、伊丹十三監督らも、コンテを描く。一部のシーンだけを描く監督もいる。

 僕も自主映画時代からコンテを描いている。僕の場合は絵コンテというより漫画に近い形。とてもうまいと言えるものではないが、イメージが伝わればいい。

 ある作品のときは全カット描いたが、もの凄い時間がかかる。労力も大変なもの。
1日がかりでも、そんなには描けない。

 その上、監督業は山ほどやることがある。絵コンテなんて暇がないという人もいる。
 
 ほんとにその通りだが「理由」のとき、大林監督も御自分で絵コンテを描いていた。時間があれば描いていた。撮影前も撮影中も描く、食前食後に描くという感じ。

 その姿を見て「時間がない・・」なんて言っていてはいけないと思えた。今回も絵コンテ描きます! 

<つづく>

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絵コンテって何?(上)2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 「ストロベリーフィールズ」のシナリオ。友人のケースと同じように、この段になってあれこれ言う関係者もいたが、ロケハン前に完成させたバージョンで決定稿となる。

 業者に出して印刷。さて、次はコンテ書きである。

 コンテというのは、絵コンテともいい、そのシーンをどんなふうに撮るか? 絵にしたものを言う。

 黒澤明監督が「影武者」や「乱」のときに描いた豪華絢爛な絵コンテは画集にもなっているので、見たことがある人があるだろう。
 また、スピルバーグやルーカスの映画本を見れば、アメリカ版の絵コンテであるストーリーボードが載っていることが多い。

 ほとんどのアメリカ映画は、ストーリーボードが描かれる。そのための専門スタッフもいる。
 シナリオに書かれた文章だけではなく、絵コンテを作ることでスタッフに分かり易く伝え、映像である映画を合理的に撮りやすくなる。

 文章であれば、読む人によってイメージが変わるが、絵にすれば、誰が見ても「ああ、このシーンは俳優をアップで撮影するのだな」と理解してもらえる。

<つづく>

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オタクPが映画をダメにする(下)ゴマスリ親父 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 話を聞いていて、こちらの方が腹が立ってきた。そんなオタク兄ちゃんがなぜ、Pをやっているのか? 友人に聞く。

 彼はあるスポンサーから派遣されてきた社員P。以前は別の業種の仕事をしていたが、学生時代から映画が好き。

 といっても、大学で映画を専攻した訳ではない。シナリオの勉強をしてもない。単なる映画ファン。今の仕事が嫌で、学生時代に好きだった映画に関われることを夢見る。転職情報を見て映像系会社に入った。まだ、転職3年目。

 要はその辺の映画好き兄ちゃんと同じ存在。でも、Pという肩書きがあると、スポンサーの代理人ということになる。スタッフは一応、耳を傾ける。意見も聞こうとする。が、彼の発言は「趣味の主張」でしかない。

 現場が振り回される。単なる勘違い男。だが、バックにスポンサーがついているので、オタクPから次も仕事をもらおうとして、ゴマをすったり、へつらったりする奴が出てくる。


 
 明らかに趣味の押しつけであったり、脚本家や監督の意図を踏みつけにしているのに、年配のオヤジが「**さんの言う通りですよ!」とかヨイショ。賛同する。

 友人は「仁義なき戦い」で菅原文太扮するヤクザが、言ったセリフを思い出しす・・。

 「上がバカだと、下のもんが苦労するんじゃあ・・」

 よく分かる話。最近、その手のPは増えている。僕もそんな奴と何度も仕事をした。その手のバカが足を引っぱり、作品をダメにする・・・。人ごととは思えない!

<つづく>

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オタクPが映画をダメにする(中)オタク発想 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 友人が書いたシナリオ。決定稿を印刷する! という直前になって、若いP(プロデュサー)がクレームをつけてきたという。

 「前の方がよかった。撮影は前のバージョンで行きたい!」

 数日で応急処置した問題だらけの版が、いいというのだ。頭おかしいのか? と友人は思った。

 そのPと話をするが、「なぜ、問題だらけの稿がいいのか?」よく分からない。論理的な説明はなく、ただ「前の方がよかった! そちらのシナリオで撮影したい!」と言い張るだけ・・。

 脚本家の彼としても、不完全なシナリオで撮影してほしくない。ちゃんと時間をかけて直した版を映画にしてほしい。
 それを応急処置で書いた版で行きたいというのは、作家としてのプライドを踏みにじるものである・・。

 友人は意味不明のP(プロデュサー)の言葉を何とか推理する。どうもPは物語上の問題点は、あまり分かっていない。ただ、応急処置の稿に、彼の趣味的な部分があったようだった。それがなくなったので、前の方がいいといっているだけ。

 つまり、オタク的な発想。客観的に、総合的に作品を見るのではなく、近視的に自分の趣味だけで「良い」「悪い」を判断する。
 「好き」=「いい作品」「嫌い」=「ダメな作品」。理屈でそれを説明することもできない。「なんか、いいんだよなあ」とか発言する。

 話を聞いていて、腹が立ってきた。そんなオタク兄ちゃんがなぜ、Pをやっているのか? 

<つづく>

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オタクPが映画をダメにする(上)激怒する友人 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 脚本家の友人から厳しい話を聞いた。僕も似たような状況なので、他人ごとではなかった。

 友人が担当する作品。出資を予定していたスポンサーの1社が、突然に撤退。製作費がかなり減った。「この額で撮影はできない!」といい、P(プロデュサー)はシナリオを短くし中身を削るよう指示した。

 おかしな話だ。そもそも製作費を集めるのはPの仕事。逃げられたらなら、別のところから集めてくる責任がある。その努力せずに、尻拭いを脚本家にさせたのである。

 予算がないからと、完成しているシナリオを削ったら、確実にレベルが下がる。全くダメな作品になる可能性も高い。その長さが必要で、書かれた物語だ。
 ビル建設で言えば、すでに手元にある設計図を見て、鉄筋を2割減らしてくれというようなものである・・・。

 それでも友人の脚本家は、必死に考えて物語を削った。与えられた日数は少ないが、何とかシナリオを短くした。が、所詮は応急処置。時間を置いて読むと問題点がいろいろと出て来る・・・。

 数日で短くした物語に問題が出ない訳がない。ビルだって鉄筋を減らせば壊れやすくなるのだ。
 友人は数週間かけて、もう一度直した。多くの問題は解決される。一番最初のバージョンと同じレベルとはいえないが、限りなく近いレベルにまで上げた。

 壊れかけた家を直す場合でも、数日で応急処置をするより、数週間かけてしっかり直した方がよくなる。シナリオも同じだ。
 なのに、いよいよシナリオ決定稿を印刷する! という直前になって、別の若いPがクレームをつけてきたという・・・。

<つづく>

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映画撮影に使うカメラ?(5) 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 ニューヨークのテレビ局、ニュース1でもこのカメラが主力。FBIビル爆破事件のスクープでもVX1000が活躍した。

 数年後、それに対抗した凄いカメラが出る。パナソニックのDVXである。こちらはさらに素晴らしいカメラ。

 撮った映像をあるところで見せてもらう。それまでのビデオカメラの映像は鮮明だがいかにもビデオ的な画質。

 対して、こちらはフィルムに近い解像度。報道だけでなく、ドラマ撮影にも適している。レーザーディスクで見る映画のような感じだ。

 これ以後、DVXが報道現場を席巻。深夜ドラマ、Vシネマのカメラとしても使用される。が、今年、それ以上のカメラが発売される。

 その機能にプラスして、単なるデジタルではなくハイビジョンで撮影できる民生用小型カメラが登場する。

 それを「ストロベリーフィールズ」のカメラとして使いたいと考えている。開発した会社を訪れ、説明を聞かせてもらう。
 こちらの意図を話し、何とかカメラを提供してもらえないか?お願い。

 その件も、進めて行かねばならない・・・。

<つづく>

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映画撮影に使うカメラ?(4)VX1000の登場 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 これからは監督も技術を知らないと、映画作りはむずかしいと思える。

 5年ほど前から勉強を続け、新型カメラの展示会には毎回でかけ、係員を質問攻めにし、今回のカメラマンである三本木さんとも、常に勉強会をしている。

(写真下はデジタルカメラではなく、8ミリカメラの名器、キャノン1014XLs)

 当初、今回はバリカムで行きたいと思った。ラボで試写を見せてもらったが本当に美しい。田辺の美しい風景を撮影するには最適。

 だが、バリカムだと今回の予算を越えてしまう。別のカメラを考える・・。

 この10年、民生用が飛躍的にクオリティが高まった。97年頃に発売されたソニーのVX1000がまず登場。

 小型、高性能で、民生用にも関わらず、機能性の高さが評価されて、報道の現場を席巻した・・。

<つづく>

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映画撮影に使うカメラ?(3)劇場ではフィルム上映 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 そんな話をすると、勘違いする人がいるので注意点を書いておく。以上は撮影時の話であり、上映のときには相当しない。
 
 ハイビジョン撮影というのは可能だが、ハイビジョン上映できる劇場はまだまだ少ない。東京でも1館くらい、地方にはまだ存在しない。ハイビジョンで撮影したときは、フィルムに変換して劇場で上映するのが基本。

 その意味を勘違いして映画館やホールで、ビデオテープやDVDを使って上映すると大変。無理矢理に大型プロジェクターでスクリーンに映すと、とんでもない映像になる。

 以前、業界でも不勉強な人が「オリジナルはビデオだから、一番キレイなはず・・」と、プロジェクターを使いDVDを大スクリーンに映写した。

 画面は薄暗く、澱んだカラーしか再生されない。最悪の映像。お金を取って興行できる画像ではない。関係者が激怒。当然、観客もブーイング。大いに顰蹙を買った。

 劇場上映をする場合は、キネコしてフィルムにして上映するのが当然。ハイビジョンやビデオが素材の場合は、ブラウン管(或いはプラズマ・テレビ)で再生。


 *フィルムー>劇場上映   *ビデオ、ハイビジョンー>ブラウン管で再生

 これが基本だ。DLPという方式もあるが、ややこしくなるので省く。ま、劇場でビデオ上映・・なんてことをする愚かな人は、いないと思うが・・。念のため。

 話を戻す。ハイビジョン・カメラ。優秀で便利だが、レンタル料がまだまだ高い。低予算映画ではかなりきびしい。
 それ以外のカメラで方法はないか? この数年、カメラの勉強を続けていた・・・。

<つづく>

*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと12日!


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映画撮影に使うカメラ?(2)ハイビジョンカメラ? 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 ソニーのシネアルタ。パナソニックのバリカム。

 この2つのカメラが今は主流。ほとんどの映画はどちらかで撮られ、フィルムで撮られる映画は激減している。

 キネコ(ハイビジョンー>フィルムに変換すること)というのが面倒だが、フィルムよりハイビジョンの方が合成や特撮がし易いのは大きなメリット。

 また、現像が要らず、現場でもすぐに撮った映像が見られる。編集も簡単。その気になれば、撮影した夜に編集ができる。

 編集は従来のような編集室も機材もいらない。パソコンがあればOK。

 経費があまり掛からない上に、簡単に速く作業ができる。ハイビジョンカメラは映画界の方法論を根本から変えてしまった。

 ジョージ・ルーカスが監督した「スターウォーズ/エピソード1」はハイビジョンで撮られ、ハイビジョンで劇場公開された初の映画。フィルムは一切使われていない。
 
 時代が急激に変わって行くのを感じる・・・。

<つづく>

*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと12日!


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映画撮影に使うカメラ?(1)35ミリと16ミリ? 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 東京に戻る。休みなく作業再開。

 俳優のキャスティングもまだまだ残っているが、他にもやるべきこともまだまだある。まず、カメラの選定。その話を少しばかり書いてみる。

 昔は映画というのは必ずフィルムで撮影されていた。映画はフィルム。テレビはビデオ。

 フィルムには2種類あり16㎜と35㎜がある。(70㎜もあるが、現在では35㎜で撮影し、ブローアップされるので撮影では使われていない)

 35㎜は映画用、16㎜はニュース映画、テレビドラマ用だった。が、スーパー16㎜の登場で、劇映画にも使われるようになる。

 従来の16㎜より機能が高いので、35㎜にブローアップできる。撮影時に経済的なスーパー16㎜で撮って、完成時に35㎜にできるのが魅力で人気が出た。

 が、最近、フィルム映画はどんどん減っている。

 というのもデジタル技術の発達で、ハイビジョンで撮影して、キネコ(変換)して35㎜フィルムにするというのが主流なのだ・・。

<つづく>

*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと12日!


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映画「ストロベリーフィールズ」準備予定 2005/9/4 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 今後の予定。

 9月4日 東京へ戻る

 9月5日 死神オーディション
      シナリオ最終打ち合わせ
      京子先生役面接
      合成シーン打ち合わせ

 9月6日 シナリオ最終直し予定

 9月7日 美術打ち合わせ
      特撮部分、打ち合わせ

 9月8日 コンテ書き開始予定

 9月9日 衣装合わせ1日目
      俳優、本読み

 9月10日 衣装合わせ2日目

<つづく> 

*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと13日! 
 


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太田組、東京へ!(下)殺されても撮る!  2005/9/4 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 5年間。僕の想像の中にしかいなかった夏美、マキ、理沙、そして美香。

 その4人が実態を持ち、田辺という昭和40年代の風景を今も持ち続ける町で、悲しみの青春物語を繰り広げるのである。

 想像するだけでも嬉しい・・。

 今回の映画「ストロベリーフィールズ」は「殺されてもやる!」というだけでなく、「殺してでもやる!」と思ってやって来た。

 遺作になってもいい。いや、これが遺作だ!と思って、かかっている。屈辱と、裏切りと、否定にさらされ続けた5年間。

 でも、ようやく、撮影まであと1歩のところまで来た。「ストロベリーフィールズ」ロケまであと一息・・・。

 さて、明日はいちご四人娘と並び、キャスティングが難しい死神役の面接である・・・。

<つづく> 

*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと13日!


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太田組、東京へ!(上)明日からまた準備  2005/9/4 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 大阪で谷村美月との面談を終え、スタッフと共に東京へ戻る!

 4日間に渡るハードなロケハン(?)を終えたばかりだが、明日からまた準備が始まる。撮影までは、2週間を切り、やらねばならないことが山ほどある。

 「明日1日休んでから」といいたいところだが、クランクインは間近。休養は許されない。製作部の運転する車で、夜の東名高速を東へ!

 今回はロケハン。いや、ロケ地紹介も十分にできたし、美香役も遂に決まった。

 東亜優は新人だがなかなかいい。そして、待ちわびていた谷村美月とも会えた。こちらはかなり驚きもあったが、僕が感じた通りの天才少女。

 この2人に佐津川愛美、芳賀優里亜が加わり、いちご四人娘はどういう芝居を見せるのか? 楽しみである!

<つづく> 

*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと13日!


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